聴取する事

こんにちわ。
渋谷店MAの長坂です。
最近渋谷店は店内のBGMも春仕様に切り替えて軽快にやってます。
その音楽に関連して、ここ何年かずっと考え続けてる事があります。
それは、
「聞く」
とは一体何なのか?
という問題。
現代音楽に触れだしたのがきっかけでしたが、
中でも環境音楽の基礎を創ったといわれる
マリー・シェーファー氏の
講演会に参加して以来その問題にぶち当たりました。
氏は講演会の突然、
会場のスタッフに、
照明や電気機器の電源を全て落とすように指示をしました。
そして参加者にその静まり返った空間で、
「耳をすましてみなさい。」
言ったのです。
すると聞こえてくるのは、
洋服の擦れる音、人の息、建物の軋む音、外の風の音、遠くから聞こえる車の音や、他にも遠くから様々な音がありました。
僕らはこの多くの音の情報量を生活の中で、
いちいち気がつく事はありません。
しかしそうやって現代人は、
耳をOFFの状態にする事に慣れてしまっていて、ONの状態に切り替える事が出来なくなっていると、言うのです。
20世紀音楽の巨匠、
ジョン・ケージ
研究で入った無響室で、それまで気がつかなかった彼自身の肉体から聞こえてくる内部の音を認識した事が、彼の聴取に関する大きな変革につながったと言われています。
視覚文化の限界が一部語られる中、
聞くという行為の深みには、
非常に重要な次世代の価値観があるような気がします。
彼らは視覚で物を認識する事と同じく確定的に、音がそこにはっきりと存在していると言います。
さらにはその観念までも聞こえると…

誰か僕に「聞き方」を教えて!
ホントに。