下積み時代のR・クロウのクロンビーコート姿。

こんにちは!スタッフの押切です。
今回はラッセル・クロウが下積み時代に
出た『ハーケンクロイツ ネオナチの刻印』で彼がスキンズ役を演じた話をします。
彼の演じるキャラクターは「ハンドー」と呼ばれる青年でヒトラーの「我が闘争」に心酔し、白人の他人種に対する絶対的優位を信じている人種差別主義者。ベトナム人の女の子を殴りとばしたりするのも平気…。
メルボルンのスキンヘッドのネオナチ・グループのリーダーで、仲間を率いてベトナム人移民グループとケンカを繰り返す日々を送る有様。
ハンドーは凶悪だが、リーダーに相応しいカリスマ的魅力があり、仲間がくっついてくるのも納得できるキャラクターである。街で拾った女の子が、閉店した店のウィンドーに飾られているジャケットを「すてき」と言うと、いきなり消火器をガラスに投げつけて、警報が鳴り響くのもかまわず盗み出す…というクレージーさにも、爽快さを感じさせます。

しかし、ストーリーが進むうちに、彼が実は内面が弱い人間だということも見えてくるのもキャラクターとしては面白く、映画としても成功している。

彼は仲間といないと、ひとりでは何もできないし、自分の面倒さえみられない。かといって、仲間に対する思いやりがあるかというとそうでもない。ある場面でガールフレンドのゲイブが看破した通り、彼は「負け犬」なのです。彼も自覚しているから、彼女にそう言われたときあんなに怒り狂う演技が僕は好きです。考えてみれば、「負け犬」だからこそ、より見下せる存在を求めて人種差別主義に彼を走らせたとも考えられそうです。

そういった部分も含めて、このキャラクターは実にリアルな作り方をしているといえる。この映画の良さは彼のキャラクターに負うところが大きいと思います。

スキンズを熱演したラッセル・クロウを意識したい方、ウチのクロンビーコートが待っています!また、この映画、
ラッセル・クロウ以外の役者さん達の
スキンズスタイルも参考になる隠れた
一本だと記しておきます。