永遠のいたずら少年にみせてくれるストライプシャツ

こんにちは!スタッフの押切です。
新作のロンドンストライプシャツが入荷した時、僕は『勝手にしやがれ』での、愛すべき不良とも呼ぶべきミッシェルを演じたジャン・ポール・ベルモンドの憎み切れないろくでなし振りを思いださずにいられなかったのだ。不良らしからぬ、上品なストライプシャツを気負わずに着こなす技は一朝一夕にはできないのだろう。あの役はベルモンドでなければ、成立しなかったんだろうな、と観ていて感じさせられる。
なにしろ、劇中で、自動車を盗むし、オマケに警察官を射殺!という無軌道かつ破滅型の生き方をしても、何故か、カラッとし、犯罪者に感じさせないのは、彼ならではの持ち味になっている。そういう男が仕立ての良いストライプシャツをさらりと着こなし、ショートカットの
ジーン・セバーグと仲良くパリを歩く姿は同性として、羨望の眼差しを向けるしかないのだ。あの陽気な表情で、どんなに悪事を働こうが、僕には、天真爛漫なワンパク少年が気付いたら、大人になっていたんじゃないか、と思えてしまう。役柄の設定でも、ボギーに憧れてるというのも、二十歳を過ぎたイイ大人のくせに可愛げを感じさせる。きっと、役柄と彼自身のキャラクターがうまい具合に重なったから、ミッシェルというろくでなしが魅力的に映ったに違いない。
そして、ラストシーン。
警察官に撃たれ、自分で瞼を閉じながら
「俺は最低。」と呟くベルモンドは
やはりストライプシャツを着ている。
死装束がストライプシャツというのは、
日本人からすると、洒落の効いた
演出の様にもみえるが、ろくでなしらしからぬ品の良いストライプシャツを劇中で着ていたのは、演出上でも役柄でも、
大正解だったと思えてならない。