よく思う事

こんにちは。
渋谷の長坂です。
以前書いた、
ミュージック・コンクレート(具体音楽)
の事で。
この音楽は、
テープに録音した音を加工編集して一つの音響作品にしていくわけですが、
このテープ再生という事がとても重要なのでは?と最近よく考えます。
テープの再生には磁気テープとテープ・ヘッドが触れて擦れる事が必須なのですが、
この『擦る』という動作を楽器の演奏に置き換えます。
すぐに浮かぶのが、
弓で弦を擦る事で音を出すヴァイオリン等の弦楽器。
弦をはじいたりしない限り、
擦るという動作に基づいた音が生まれます。
しかしここで問題になってくるのが、
テープ・ミュージックはテープが擦れるという動作とは全く関係無い音を生み出す事が出来てしまうという事。
爆発音、鳥の声、ドアの閉まる音etc
もうこれは録音した音の素材次第で無限に広がります。
ピカソが絵を『描く』べきキャンバスに素材を切り貼りしてコラージュを創り出したそれに重なるようにも感じます。
もはや録音という行為が当たり前となった現代にはそのコラージュ感覚の特別さを、
実生活の中から見出すのは難しいですが、
ここを『聴く』事が大切!