日の国の美

こんにちは。

原宿店のマイヤです。
お盆中ご先祖様のお墓参りにはもう行かれましたか?

お墓参りに行く時にはお寺の伝統的な建物や遺物に魅力を感じてしまいます。

僕は昔の遺跡にも興味があり、高校生の頃住んでいた盛岡市にも「鬼の手形」と言う実物の鬼から取った、石碑が近所のお寺にありました。

僕は3人兄弟なのですが、学生の頃1番上の兄と一緒に京都に行った事があります。

日本刀や昔の偉人が着ていた鎧が奉納されている神社やあの新撰組の屯所だった跡地や八木亭に行き、芹沢鴨を切った柱の刀傷等も見た事もあります。

その頃、僕は京都に行ったら行ってみたい所がありました。

「悟りの窓」

知り合いからそんな所があると聞いていたので、一度行ってみたいと思っていたのです。

京都はお寺が多く、何処にあるのか分からなかったので街中を走っているタクシーの運転手さんに悟りの窓がどこにあるのか聞いていました。

米谷:「悟りの窓って知ってますか?」

運転手:「悟りの窓?」
「あ〜血の天井の寺か知ってるよ!」

米:「血の天井?」

運転手:「源光庵って所にあるから、見れば分かるよ」
「教えてあげるよ」

その後そのタクシーの運転手さんに地図を見せられながら教えてもらい、僕は兄と一緒にその源光庵に向かいました。

京都の市街地からしばらく行くと、林と坂道ばかりの景色が増えて来るのですが僕の探していた源光庵と言う所は周りに何もない山の中にありました。


僕は大きな屋敷を想像していたのですが、小さなお寺がボツンとあるだけで、ちょっと残念だった記憶があります。


中に入ると、屋敷ではなく、当時は茶室として使っていた様なこじんまりとした空間が其処にはありました。

そこで地元のガイドさんに最初に案内されたのは、さっきタクシーの運転手さんが言っていた「血の天井」です!

それは真っ黒く変色した血がついた板が建物の天井に設置されているのです!

ガイドさんから聞くと、この天井は元は伏見城と言うお城の床に使われていた板だそうで、当時伏見城で戦った武人達の自害した血がついていると聞きました。

良く見ると板には手形や足形らしき形が無数についていて、正直あまり気持ちの良い物ではありませんでした。

その後僕の探していた、「悟りの窓」を案内されました!!

畳が敷かれたうっすらと暗い室内に丸形と四角形の2つの大きな窓があるのです。
窓からは外の庭園が見える様に作られていたのです。

ガイドさんの話しを聞くと、この2つの窓は「禅と円道」の心を表し、丸い窓は大宇宙を表しており、四角の窓は迷いの窓で人間の生涯を表しているそうです。


すみません、勉強不足です。



そこで畳の上に正座をしながら、僕は窓からは見える庭園をずっと眺めていました。


あれから7年程経ち、僕は未だに理解出来ていませんが、日本ならではの芸術や美意識に改めて触れてみるのも良いと思います。

普段は海外のモダンなイメージや哲学を具現化しているブルードレスの洋服ですが、今年の夏は素敵な女性や仲の良いお友達と一緒に日本の知的文化に触れてみるのも良いと思います。