教科書とも呼ぶべきクロンビーコートの着こなし。

全国のブルードレスユーザーの皆様、一週間の御無沙汰でした。

スタッフの押切です。

今回は『リスボン特急』というフランス映画のお話をします。

どんなストーリー?と言いますと、

海辺の銀行に強盗に入ったシモンとその仲間たち。この強盗事件の捜査にあたったのがシモンの親友であり鬼刑事として有名なコールマンなのだが、実はコールマンは裏でシモンの女カティといい仲になっている。
そんな折、ある組織がリスボン特急で麻薬を輸送するとの情報を入手したコールマンは監視体制を敷く。しかし同じ情報をつかんでいたシモンが麻薬の奪取を計画しており、親友である2人に対決の時が訪れる。

この作品、フランスのギャング映画の巨匠であるジャンピエール・メルビィル監督の遺作。
本作の主演であるアラン・ドロンとメルビィル監督はたとえるなら、
三船敏郎黒澤明監督の様な黄金コンビ。メルビィル監督の『サムライ』、『仁義』の二作でもドロンは殺し屋、ギャングを演じ、翳りあるハードボイルドキャラを得意としていたが、今作では珍しく追う側の刑事役。そして、ドロンと
対決するシモン役が名バイプレーヤー
として知られるリチャード・クレンナ。

やはり、犯罪映画のカギは悪役にあるのが定石で、シモン役のリチャード・クレンナは素晴らしい役割を果たしている。
冒頭の銀行強盗のシーンやリスボン特急での麻薬横取りのシーンも彼の見せ場であり、同時にカトリーヌ・ドヌーヴ演じるカティの情夫役であるからして、事実上の主役!はシモンとも言えよう。

が、当の主役であるドロンも負けていない。終始、口数も少ないコールマン刑事を演じるアラン・ドロンの演技は、
ラストシーンで警察無線がジャンジャン鳴り続けても、ドロンは一切出ようとしない。失望感、後悔、愛憎といったネガティブな想いがコールマン刑事の心に渦巻いたに違いない。こういうハードボイルドな芝居は当時のドロンの十八番である。
ドロンの様に翳りのあるハードボイルドムードをセルフプロデュースしたいあなた!

ウチのクロンビーコートがあなたを
ドロンの様にするために待ってます!