CD評

こんにちは。
渋谷の長坂です。
最近閉店後に良く聞くアルバムが一枚あります。
アーティストは
サルバトーレ・シャリーノ。
今日は彼の2008年のアルバム[orchestral works]をご紹介。
1947年イタリア産まれの彼は今ままさに現代音楽会ではイケイケの年齢。
そんなイケイケっぷりが出ているのが彼お得意の特殊奏法の多様。
ようは楽器を正当法に弾かない事で元々楽器が持っている響きとは違った音響が手に入るのです。
しかも音の質感だけでなく如何にして発音しているかというプロセスにまで大きな問題があるのが現代音楽の楽しいところ。
彼は新しい音響価値へのそんなアプローチを聞かせたかと思うと、
今度は突然過去の様々な歴史的楽曲からの引用なんかもやってくれちゃいます。
このアルバムでもメンデルスゾーンのメロディーの引用が行われています。
出会うはずのないヴァイオリン協奏曲と特殊奏法の創り出す現代的音響は、僕の聴覚の感覚的な錯覚を自覚させ現代的聴取に向かわせてくれるようなアルバムです。