大実験時代

こんにちは。
渋谷の長坂です。
一昨日、書けなかったジョン・ケージについて一言。
まだアバンギャルドという言葉が生きていた、
1950年代〜60年代。
時代を映し出すように、ケージは様々な偉大な実験をやってのけました。
ピアニストがただ座っているだけで有名な楽曲「4分33秒」。
ピアノの弦に木の破片やゴムやボルトを挟んで演奏する、「プリペアド・ピアノ」。
サイコロで出た目で音符を決める「易の音楽」。
なかでも「ハプニング」による音楽作品は衝撃的で、
1952年には、
絵画、ダンス、映画、スライド、レコード、ラジオ、詩の朗読、ピアノ演奏、講演を同じ空間内で各々がバラバラにおこなうという試みを発表しました。
僕もケージのこの作品の続編とも言える、
「ユーロペラ」
を聴きにいったことがありました。
そこでもオペラ歌手二人、ラジオ、レコード、ピアニストが演奏前にクジを引き、その内容に準じて各々が行動するというもので、
クジ引きという偶然に任せたハプニングがそこにはありました。
マスメディア影響の加速と共に、大衆的な生活は全てが見せ物化していった現代、
僕達の生活全てがハプニングでエンターテイメントなんでしょう。
枠組みが取り去られた作品が故に、作られた環境の枠組みで生きる自分達の生活を自覚する瞬間があるように思います。