伊豆の踊り子

今日は、原宿店のマイヤタケルです。
 
以前ブログで紹介しました川端康成の「伊豆の踊り子」を読んでみました。 
 
僕はこの作品を読むまではてっきり、伊豆の海岸に佇む麦わら帽子を被った黒髪のロングヘアー(綾瀬はるかのイメージ)の少女と東京から夏休みを利用して伊豆に来た少年との胸がドキドキしちゃう、ひと夏のアバンチュールな恋物語だと思っていたのですが…、 
 
全然違ってました!! 
 
 
ホントの話しは、伊豆へ1人旅に来た東京からの男子学生が湯ヶ島で一座の踊り子に心惹かれてしまいその後、旅の茶屋でその一座とまた出会い一緒に旅を続ける中で移り変わる主人公の心境を描いた純文学作品でした! 
 
もうド勘違いしてましたね。
 
 
この作品の中で出てくる踊り子と言う職業は、その日暮らしの生活をしていると世間からみなされ、周囲からあまり良い印象を受けていない仕事です、そんな踊り子の少女を青年が純粋な好意を持って見つめ、その後仲も良くなりますが、現実は上手く行かない…という人生のほろ苦さと主人公と踊り子の描写を読んでいて僕は人として差別ない価値観を持たないといけない、感性豊かな人間になりたいと思いました。 
 
それに今でも観光名所である伊豆の温泉街の華やかな雰囲気や旅の途中で出てくる天城峠の雨が降っている杉の密林の文章を読むとその状況をイメージさせる川端先生の成せる文才だと思い、僕は自分の毎日見る表参道の並木通りを杉の林に重ね合わせて思わず歩きたくなってしまいました。
 
今年の夏は小説の旅人に重ね合わせて、僕がデザインした旅人がプリントされたTシャツに、伊豆の海岸の白砂が付いたかとみえる印象のペイントデニムをコーディネートし、海辺に座り、この「伊豆の踊り子」をポケットに、夏の思い出作りをしてみようかと思っています。
 
それと本の解説に三島由紀夫が「伊豆の踊り子」について、川端氏の描くこの天真爛漫な少女は未完成さをも描いた処女性のある作品だとも評論しています。 
 
僕はモダンと呼ばれる時代の近代文学や芸術がとても好きなのでこの三島先生の汚れなき透明感の話 さすが!と感動しました。
三島先生の「金閣寺」も改めて読んでみようと思います。
 
皆さんの夏旅も聞かせてくださいね、お店でお待ちしています。 
 
今日も原宿にいます、原宿店のマイヤでした。
 
以上。