スーツは語る


【あなたが寝ている時でさえ、夢を語るスーツがあります。】



ブルードレスのイメージには1920年代30年代のモダンと呼ばれた時代への憧れがあります。
これは1960年代初頭にイギリスのロンドンで流行した若者達のモッズ(MODS )ファッションが、やはりその憧れを継承した、というイメージです。

ブルードレスは現在のファッションにおいてもスーツを着るスタイルは大事な要素と考えています。

スーツは今や衣料品店、百貨店とどこでも買えますが、それらを比べ、自分にあうスーツを探すのは困難をきわめます。
難しいですね。
誰もが気にするのは自分にそれが似合うか、値段は幾らか、スーツが今のトレンドにあった形か、自分の体型に合うか、…だと思いますが、スーツの選び方で一番大切なのはどんな用途で着るか?です。

するとスーツと一口にいっても、例えば小説に、推理小説や純文学など色々あるようにスーツにも色々事情があると分かります。
純文学のスーツもあればアヴァンギャルドなスーツもあり、また児童文学やビジネス本と対をなすビジネススーツもあるのです。
内容だけでなく、その仕様にもハードカバーや文庫など、とにかくスーツ選びは大変です。

これらを考えてみると自分が着るスーツにとって、一番大切なのは素材でも縫製でもなく、自分の用途に必要な形、用途に似合うか、ということが先立ちにあるのです。

一番大事なポイントをクリアしたスーツを選んだ人はモダンであろうが、なかろうが幸いです。
必要は発明の母なんて言いますが、求める気持ちから選択するスーツ形が決まり自分に寄り添ったスーツを着ることができます。

ブルードレスのスーツは消費と言う1980年代に顕著になった"お洒落なこと"である、[休日に都会に出て、ブティックで買い物をしたり、美容院に行ったり、美術館に行ったり、友人と遊ぶ場に相応しいスーツ]であることが目指されています。
これは第3者に見せて注目を浴びるために大事な行いです。
休日や特別なプライベートな時間のスーツ・スタイルはリラックスした状態でありながら、見た目にはスタイリッシュかつタイニーで、クールでなくてはなりません。

仕事途中の退屈なタクシー待ちの時でさえ、心に決めたやる気がある男に見え、カフェで気がゆるみ眠い顔をしてしまった時でさえ、周りからは影ある男と誤解されてしまう。
貴方といる誰をもロマンチストにしてしまう服でなくてはならないのです。

よいスーツは無口な男の心に秘めた真実の思いを言葉以上に饒舌に語ってくれるのです。