ダンディー達の午前
こんにちは、長坂です。
「ジョージ・ブライアン・ブランメル」
通称
「ボー・ブランメル」
この人物の名前はこのブルードレスblogにも、
そして渋谷店の語りの中にも度々登場してきます。
何者か?と改めて確認をしておくと、
19世紀の初頭に英国社交界にて、
世紀の洒落者としてその名を刻んだ、ダンディーの中のダンディーがこの人。
もうとにかく洒落者で、
サロンでは誰もが彼に憧れ、
彼の登場によって「ダンディズム」という哲学が大きく動いたのです。
これに関してはボードレールやスタンダールあたりのフランス文学者達の語りによってさらに神格化していきました。
そんな洒落者ブランメルの服装哲学は、
清潔感や高品質にこだわるのは当然。
なんたって、度肝を抜かれるのがそのスタイリングへの妥協の無さ。
有名な話しはネクタイの起源となったクラバットの巻き。
布地に糊を効かせ、首に結って結っていくのですが、それが完璧に決まらないものならば何度でも何度でもやり直し、床には従者が用意したクラバットがドンドン積み上がっていったといいます。
スタイリングに時間を惜しまないスタンスから、午前中をゆうに使い完璧を求めたそうです。
時間あるな〜(笑)
さすがにその辺りは「客間の皇子」ですね。
この「手間」
これが如何に贅沢であり、如何にダンディズムに不可欠かを魅せつけられます。
このブランメルの手間に負けず劣らずの細かなこだわりは、もちろんブルードレスの得意分野であります。
そんなお洒落の手間を楽しむ一枚がこれ。
「ダブルブレステッド・カーディガン」
最高のカシミヤ混のニットは最高にラグジュアリーな着心地と雰囲気を楽しませてくれますが、
それと共にこのボタン!!
カーディガンでダブルブレステッドという、重厚な顔立ちはまさにダンディー!
そして、この柔らかいニットに掛け間違える事必至のボタン数!
これを落ち着〜いて、ゆ〜っくり掛けていく時間に男の上質な時間があるわけです。
掛けて終えた後に気づく静かな輝きは、蝶貝ボタンならでわのモノ。
この作り込んだスタイリングの完成をして、
ボー・ブランメルはこう言います。
「その完璧な格好をして、決して人に振り向かれてはならない。
もし振り向かれたならばそれは凝りすぎている」
と。
むずかしいな!(笑)
とは言え、僕もブランメル・チルドレンの一人。
抑制の効いた然り気無さを、このダブルブレステッド・カーディガンで実現してみせましょう。
この秋冬ブルードレスのスタイリングで、そんなダンディズムの系譜をお楽しみ下さい!!